詩篇68-69 ; ローマ8:1-21

詩篇

第68篇

68:1神よ、立ちあがって、その敵を散らし、
神を憎む者をみ前から逃げ去らせてください。
68:2煙の追いやられるように彼らを追いやり、
ろうの火の前に溶けるように
悪しき者を神の前に滅ぼしてください。
68:3しかし正しい者を喜ばせ、
神の前に喜び踊らせ、喜び楽しませてください。
68:4神にむかって歌え、そのみ名をほめうたえ。
雲に乗られる者にむかって歌声をあげよ。
その名は主、そのみ前に喜び踊れ。
68:5その聖なるすまいにおられる神は
みなしごの父、やもめの保護者である。
68:6神は寄るべなき者に住むべき家を与え、
めしゅうどを解いて幸福に導かれる。
しかしそむく者はかわいた地に住む。
68:7神よ、あなたが民に先だち出て、
荒野を進み行かれたとき、〔セラ
68:8シナイの主なる神の前に、
イスラエルの神なる神の前に、
地は震い、天は雨を降らせました。
68:9神よ、あなたは豊かな雨を降らせて、
疲れ衰えたあなたの嗣業の地を回復され、
68:10あなたの群れは、そのうちにすまいを得ました。
神よ、あなたは恵みをもって
貧しい者のために備えられました。
68:11主は命令を下される。
おとずれを携えた女たちの大いなる群れは言う、
68:12「もろもろの軍勢の王たちは
逃げ去り、逃げ去った」と。
家にとどまる女たちは獲物を分ける、
68:13たとい彼らは羊のおりの中にとどまるとも。
はとの翼は、しろがねをもっておおわれ、
その羽はきらめくこがねをもっておおわれる。
68:14全能者がかしこで王たちを散らされたとき、
ザルモンに雪が降った。
68:15神の山、バシャンの山、
峰かさなる山、バシャンの山よ。
68:16峰かさなるもろもろの山よ、
何ゆえ神がすまいにと望まれた山をねたみ見るのか。
まことに主はとこしえにそこに住まわれる。
68:17主は神のいくさ車幾千万をもって、
シナイから聖所に来られた。
68:18あなたはとりこを率い、
人々のうちから、またそむく者のうちから
贈り物をうけて、高い山に登られた。
主なる神がそこに住まわれるためである。
68:19日々にわれらの荷を負われる主はほむべきかな。
神はわれらの救である。〔セラ
68:20われらの神は救の神である。
死からのがれ得るのは主なる神による。
68:21神はその敵のこうべを打ち砕き、
おのがとがの中に歩む者の
毛深い頭のいただきを打ち砕かれる。
68:22主は言われた、
「わたしはバシャンから彼らを携え帰り、
海の深い所から彼らを携え帰る。
68:23あなたはその足を彼らの血に浸し、
あなたの犬の舌はその分け前を
敵から得るであろう」と。
68:24神よ、人々はあなたのこうごうしい行列を見た。
わが神、わが王の、聖所に進み行かれるのを見た。
68:25歌う者は前に行き、琴をひく者はあとになり、
おとめらはその間にあって手鼓を打って言う、
68:26「大いなる集会で神をほめよ。
イスラエルの源から出た者よ、主をほめまつれ」と。
68:27そこに彼らを導く年若いベニヤミンがおり、
その群れの中にユダの君たちがおり、
ゼブルンの君たち、ナフタリの君たちがいる。
68:28神よ、あなたの大能を奮い起してください。
われらのために事をなされた神よ、
あなたの力をお示しください。
68:29エルサレムにあるあなたの宮のために、
王たちはあなたに贈り物をささげるでしょう。
68:30葦の中に住む獣、
もろもろの民の子牛を率いる雄牛の群れを
いましめてください。
みつぎ物をむさぼる者たちを足の下に踏みつけ、
戦いを好むもろもろの民を散らしてください。
68:31青銅をエジプトから持ちきたらせ、
エチオピヤには急いでその手を
神に伸べさせてください。
68:32地のもろもろの国よ、神にむかって歌え、
主をほめうたえ。〔セラ
68:33いにしえからの天の天に乗られる
主にむかってほめうたえ。
見よ、主はみ声を出し、力あるみ声を出される。
68:34力を神に帰せよ。その威光はイスラエルの上にあり、
その力は雲の中にある。
68:35神はその聖所で恐るべく、
イスラエルの神はその民に力と勢いとを与えられる。
神はほむべきかな。

第69篇

69:1神よ、わたしをお救いください。
大水が流れ来て、わたしの首にまで達しました。
69:2わたしは足がかりもない深い泥の中に沈みました。
わたしは深い水に陥り、
大水がわたしの上を流れ過ぎました。
69:3わたしは叫びによって疲れ、わたしののどはかわき、
わたしの目は神を待ちわびて衰えました。
69:4ゆえなく、わたしを憎む者は
わたしの頭の毛よりも多く、
偽ってわたしの敵となり、
わたしを滅ぼそうとする者は強いのです。
わたしは盗まなかった物をも
償わなければならないのですか。
69:5神よ、あなたはわたしの愚かなことを
知っておられます。
わたしのもろもろのとがは
あなたに隠れることはありません。
69:6万軍の神、主よ、あなたを待ち望む者が
わたしの事によって、
はずかしめられることのないようにしてください。
イスラエルの神よ、あなたを求める者が
わたしの事によって、
恥を負わせられることのないようにしてください。
69:7わたしはあなたのためにそしりを負い、
恥がわたしの顔をおおったのです。
69:8わたしはわが兄弟には、知らぬ者となり、
わが母の子らには、のけ者となりました。
69:9あなたの家を思う熱心がわたしを食いつくし、
あなたをそしる者のそしりが
わたしに及んだからです。
69:10わたしが断食をもってわたしの魂を悩ませば、
かえってそれによってそしりをうけました。
69:11わたしが荒布を衣とすれば、
かえって彼らのことわざとなりました。
69:12わたしは門に座する者の話題となり、
酔いどれの歌となりました。
69:13しかし主よ、わたしはあなたに祈ります。
神よ、恵みの時に、
あなたのいつくしみの豊かなるにより、
わたしにお答えください。
69:14あなたのまことの救により、
わたしを泥の中に沈まぬよう助け出してください。
わたしを憎む者から、
また深い水からわたしを助け出してください。
69:15大水がわたしの上を流れ過ぎることなく、
淵がわたしをのむことなく、
穴がその口をわたしの上に閉じることのないように
してください。
69:16主よ、あなたのいつくしみの深きにより、
わたしにお答えください。
あなたのあわれみの豊かなるにより、
わたしを顧みてください。
69:17あなたの顔をしもべに隠さないでください。
わたしは悩んでいるのです。
すみやかにわたしにお答えください。
69:18わたしに近く寄って、わたしをあがない、
わが敵のゆえにわたしをお救いください。
69:19あなたはわたしの受けるそしりと、
恥と、はずかしめとを知っておられます。
わたしのあだは皆あなたの前にあります。
69:20そしりがわたしの心を砕いたので、
わたしは望みを失いました。
わたしは同情する者を求めたけれども、ひとりもなく、
慰める者を求めたけれども、ひとりも見ませんでした。
69:21彼らはわたしの食物に毒を入れ、
わたしのかわいた時に酢を飲ませました。
69:22彼らの前の食卓を網とし、
彼らが犠牲をささげる祭を、わなとしてください。
69:23彼らの目を暗くして見えなくし、
彼らの腰を常に震わせ、
69:24あなたの憤りを彼らの上にそそぎ、
あなたの激しい怒りを彼らに追いつかせてください。
69:25彼らの宿営を荒し、
ひとりもその天幕に住まわせないでください。
69:26彼らはあなたが撃たれた者を迫害し、
あなたが傷つけられた者をさらに苦しめるからです。
69:27彼らに、罰に罰を加え、
あなたの赦免にあずからせないでください。
69:28彼らをいのちの書から消し去って、
義人のうちに記録されることのないように
してください。
69:29しかしわたしは悩み苦しんでいます。
神よ、あなたの救が
わたしを高い所に置かれますように。
69:30わたしは歌をもって神の名をほめたたえ、
感謝をもって神をあがめます。
69:31これは雄牛または角とひずめのある雄牛にまさって
主を喜ばせるでしょう。
69:32へりくだる者は、これを見て喜べ。
神を求める者よ、あなたがたの心を生きかえらせよ。
69:33主は乏しい者に聞き、
その捕われ人をかろしめられないからである。
69:34天と地は主をほめたたえ、
海とその中に動くあらゆるものは主をほめたたえよ。
69:35神はシオンを救い、
ユダの町々を建て直されるからである。
そのしもべらはそこに住んでこれを所有し、
69:36そのしもべらの子孫はこれを継ぎ、
み名を愛する者はその中に住むであろう。


ローマ

第8章

8:1こういうわけで、今やキリスト・イエスにある者は罪に定められることがない。8:2なぜなら、キリスト・イエスにあるいのちの御霊の法則は、罪と死との法則からあなたを解放したからである。8:3律法が肉により無力になっているためになし得なかった事を、神はなし遂げて下さった。すなわち、御子を、罪の肉の様で罪のためにつかわし、肉において罪を罰せられたのである。8:4これは律法の要求が、肉によらず霊によって歩くわたしたちにおいて、満たされるためである。8:5なぜなら、肉に従う者は肉のことを思い、霊に従う者は霊のことを思うからである。8:6肉の思いは死であるが、霊の思いは、いのちと平安とである。8:7なぜなら、肉の思いは神に敵するからである。すなわち、それは神の律法に従わず、否、従い得ないのである。8:8また、肉にある者は、神を喜ばせることができない。8:9しかし、神の御霊があなたがたの内に宿っているなら、あなたがたは肉におるのではなく、霊におるのである。もし、キリストの霊を持たない人がいるなら、その人はキリストのものではない。8:10もし、キリストがあなたがたの内におられるなら、からだは罪のゆえに死んでいても、霊は義のゆえに生きているのである。8:11もし、イエスを死人の中からよみがえらせたかたの御霊が、あなたがたの内に宿っているなら、キリスト・イエスを死人の中からよみがえらせたかたは、あなたがたの内に宿っている御霊によって、あなたがたの死ぬべきからだをも、生かしてくださるであろう。
8:12それゆえに、兄弟たちよ。わたしたちは、果すべき責任を負っている者であるが、肉に従って生きる責任を肉に対して負っているのではない。8:13なぜなら、もし、肉に従って生きるなら、あなたがたは死ぬ外はないからである。しかし、霊によってからだの働きを殺すなら、あなたがたは生きるであろう。8:14すべて神の御霊に導かれている者は、すなわち、神の子である。8:15あなたがたは再び恐れをいだかせる奴隷の霊を受けたのではなく、子たる身分を授ける霊を受けたのである。その霊によって、わたしたちは「アバ、父よ」と呼ぶのである。8:16御霊みずから、わたしたちの霊と共に、わたしたちが神の子であることをあかしして下さる。8:17もし子であれば、相続人でもある。神の相続人であって、キリストと栄光を共にするために苦難をも共にしている以上、キリストと共同の相続人なのである。
8:18わたしは思う。今のこの時の苦しみは、やがてわたしたちに現されようとする栄光に比べると、言うに足りない。8:19被造物は、実に、切なる思いで神の子たちの出現を待ち望んでいる。8:20なぜなら、被造物が虚無に服したのは、自分の意志によるのではなく、服従させたかたによるのであり、8:21かつ、被造物自身にも、滅びのなわめから解放されて、神の子たちの栄光の自由に入る望みが残されているからである。


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